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横濱市中区に三渓園と言う広大な日本庭園があります。
元々は原財閥の当主の原三渓さんの自宅でした。

原三渓さんは東京ドームより広い自宅の敷地に、日本全国の御城や御寺の重要建築物を明治時代の文化軽視の波から移築し保護ました。
緑地全体が元々は原三渓さんの家。
山の中にも重要文化財建築が沢山有ります。


原三渓さんの御蔭(おかげ)で明治政府の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく=インド由来の外来宗教排斥。※何故か儒教は肯定した。)政策の被害に遭い、檀家を失い廃寺に追い込まれた名古刹(こさつ=歴史の古い寺)や、一村一社令(町や村に神社を一つしか認めず社殿を破壊する)と言う愚策で破壊される寸前の神社を多く移築し保護しました。

※写真は3年前くらいの夜間ライトアップ

この1回しか秋のライトアップは有りませんでした。
希望の方は三渓園事務所に要望の電話をかけましょう!
三渓園TEL0456210635
要望が多ければあるいは…

その活動だけでも素晴らしい事なのですが、明治時代に既に「公共福祉」「文化保護」と言う観念をお持ちで、日本文化に興味の薄れ始めた日本人に日本文化の素晴らしさを再認識してもらう為に、自宅敷地…即(すなわ)ち今の三渓園を住んでいた当時から市民の憩いの場に成る様に公園として提供してらっしゃったんですね。

原三渓さんは現代の企業経営者とは異なり、普段お金を稼がせて貰う市民に対して「報恩」と言う鎌倉武士の一所懸命の様な気概をお持ちでした。
関東大震災で横濱市が壊滅した際、私財を湯水の様(よう)に惜しげも無く投じ、日本政府よりも横濱市の復興に貢献して下さいました。
現代の企業経営者にはそんな立派な方はいないでしょうね。
現代の経営者にはアイスバケツチャレンジで1万円の寄付を惜しんで、氷水かぶって遊ぶような虚栄心丸出しの無文化な偽善成金は沢山いますが…

原三渓さんは横濱市の復興にお金を使い果たし、財閥は衰退しましたが生粋のハマっ子には原三渓さんの意思が今も受け継がれています。

三渓園には冒頭で説明した通り、寺社仏閣以外にも伏見城の遺構や大名家の邸宅も移築されています。
写真は紀州徳川家が紀ノ川沿いに持っていた別宅です。
三渓園に移築されて現在も保護されています。
因(ちな)み山下公園前にある"ニューグランドホテル"は"ナポリタンスパゲッティの発祥地"ですが、オーナーは原三渓さんの御子孫の方です。
横濱市観光の際は、是非、ニューグランドホテルのレストランで御食事をされ、三渓園にも足を伸ばしてみては如何でしょうか?