皆さんは鎌倉市の二階堂地区に源頼朝公が建立した壮麗な“永福寺”と言う御寺が曾(かつ)て存在していたのを御存知でしょうか?
その御寺は有名な京都府宇治市の平等院鳳凰堂や奥州藤原氏の拠点平泉の毛越寺と比肩して壮麗と当時は言われた寺院でした。
近年その永福寺跡の発掘調査が進み、この度、鎌倉市によって史跡として整備された記念に鎌倉歴史文化交流館で企画展“甦る永福寺”が12月09日(土)まで開催される運びと成りました。
鎌倉歴史文化交流館 企画展甦る永福寺 
小生は直接知り合いがおり今回の招待券を頂いていたので企画展の見学に行って参りました。
知り合いの職員の方と情報交換も有ったり調べ物を御願いしてあったので丁度良かったんですね。

先ず、鎌倉歴史文化交流館自体が今年開館したばかりの博物館で余り知名度も高くないので全国的には御存知の無い人も多いと思いますが、小生の個人的な感想として・・・
中規模の博物館ながら「恐らく南関東で一番、展示と解説の見せ方が美しく解り易い」美術館の様な素敵な博物館なのです。
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それもそのはず、この場所は旧三菱財閥岩崎家が住んでいた邸宅跡にして鎌倉時代の大寺院、無量寿院の跡地でもあります。建物も岩崎家の後にココに住んだ某出版社社長の巨大な自宅を改装しているので現代建築としても見応えが有りますよ。
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どんな場所かは以前に“今年6月の休日雑記”の中で解説しているので、博物館自体の様子を知りたい人は御参考までに以下の記事タイトルをクリックして記事を御覧下さい。

さて、では今回の解説の本題に戻ります。

この鎌倉歴史文化交流館の素晴らしい所は“館内の展示物の全てが写真撮影OK!”な上に、“触れる為の展示物も存在している”所です。常設展の素晴らしさは休日雑記の中でも紹介して有るので、其方(そちら)を御覧頂ければ良く感じ取って頂けるかと思います。
学芸員さんは歴史の楽しさを伝える為に、来館者と鎌倉時代の人の“歴史の時間を共有して貰いたい”との思いから、今回は発掘された永福寺の瓦2種類を実際に触ったり持ってみたりする事が出来ます。
体験を大切にする素晴らしい学芸員さんの素晴らしいアイディアですね。
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ジムで筋トレしまくってる小生でも「ん?」と感じる程度の重みは有ります。
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これは女性や子供からしたらソコソコ重いんじゃないかと思いました。実際に持つ事で御寺の規模を感じられれば子供にも良い経験に成りますね~♪。学芸員さんGood job👍
他の博物館はショボいレプリカの写真撮影すら拒む場所が殆(ほとん)どですからね~。
企画展で最初にパネルの解説で興味を惹かれたのが源頼朝公の彫像の写真でした。
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色が落ちちゃってますが、造形は良く姿を留めていますね~。
甲斐善光寺に保存されているらしいので、本来は信州の大寺院の善行寺から武田信玄が略奪した彫像の様ですね。武田信玄は信州や関東に来ては略奪と強姦と腐女子の奴隷売買を行った悪逆非道な輩として有名です。まぁ、この頼朝公像も鎌倉時代のまま信州の善光寺に在ったら、武田氏の滅亡で後ろ盾を一時無くした甲斐善光寺に保存されるよりも色彩も状態良く残ったのかも知れませんね。
次に目を引いたのが宇治の平等院鳳凰堂と平泉の毛越寺跡の写真です。
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実はこの両方が鎌倉の永福寺に酷似しているのです。
鎌倉歴史文化交流館 永福寺CG 
それもそのはず、そもそも頼朝公は都の文化が御好きな風流人だったのですが、奥州征伐で藤原氏の拠点の栄え様をまざまざと見せつけられ、そして自分と同じ様に風流を愛した奥州藤原氏の文化をリスペクトし、“平等院と毛越寺の両方の良い所を取り入れて永福寺を造営した”と言うのが通説に成っています。確かに発掘調査後の予想復元CGは両方にソックリですからね。
そんな頼朝公に建てられた永福寺も各時代に火災で再建されたり規模も様子も少しづつ変化した様で、その調査結果も見取り図で解説されていました。
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こんな感じで説明が有るので、素人でも良く理解できます。
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他にも経塚から出土した経筒や龜も展示されています。
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とても美しい水晶と純金製の数珠や・・・
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・・・盒子(ごうす)等も展示されています。
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800年前の人も素敵な装飾品を身につけてらっしゃったんですね~。
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他にも出土した柱や永福寺の瓦を組み上げた展示物が有ります。
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屋根や柱の装飾品も。
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・・・う~ん、全部の写真を掲載してしまうと企画展の面白みが薄れてしまいますので、展示物の写真の掲載はここまでにして置きましょう(笑)。
実は学芸員サンのアイディアと大学生有志ボランティアで今回、この他にも見所が有ります!
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これらの復元CGをバーチャルリアリティーで体験出来るんです!
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台数は3台有り、上映時間は一人につき5分程度、恐らくこの企画展に人が殺到すると混みあうので、まだ博物館の知名度の低い(笑)今の内が、この体験をしに行く絶好のチャンスだと思いますよ~♪
なんせ博物館の中は風雨も寒さも関係無いので、これから秋冬に向けても良いレクリエーションに成ると思います。
今週末、又、天気荒れるらしいですがソレも関係無く楽しめますしね(笑)。

皆さん、どうでしょう?
企画展“甦る永福寺”を見学して見たく成りませんか?小生の様に招待される客で無くても、ここは広く歴史と鎌倉文化を広め様と言う志の高い経営方針の博物館なので一般来場者の入館料も500円と激安です!

そして鶴岡八幡宮の近くの鎌倉国宝館では今年の10月21日時点~12月03日(日)の間、「鎌倉公方足利基氏」企画展も開催されています。永福寺展と合わせて見に行くなら今がチャンス!
・・・まぁ、紅葉の季節に成ってから扇ヵ谷地区の海蔵寺や佐助稲荷神社界隈の紅葉散策や、反対側の浄明寺地区の浄妙寺や報国寺の紅葉散歩と合わせて見学に来るのもアリですね♪
一応、以下に鎌倉歴史文化交流館のアドレスと企画展のホームページ掲載して置きます。
【鎌倉歴史文化交流館】
【CGによって復元された永福寺ホームページ】
http://www.bukenokoto-kamakura.com/yofuku-ji/cg.html

皆さん、そろそろ肌寒さを感じる季節に成りました。風邪等引かれません様に~。

では!又、次のブログ記事で御会いしましょう~♪