前回の休日雑記コレの続き。
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神崎遺跡を後にして、この日の元々の最終目標である飯田牧場のアイスクリームを食べに藤沢市の飯田牧場を目指して出発した。
今回、休日雑記は4回に分けて1日の行動をつづったが、実は目視すると余り移動距離は長くない。
04月22日の行動道程
黄色い線が最初の訪問地の有鹿神社本宮~飯田牧場の実際に走った道程(みちのり)。
赤い線が距離の定規とする5kmの長さ
御覧の通り、4月22日の訪問先で実際に走った移動距離はせいぜい15km。
余り広くい範囲を動き回っていた訳では無い。
まぁ、行き返り更に横浜までの距離も走っているのだが、それは含まない。
現地での移動は広範囲ではないが、それでも早朝の8時から夕方の4時頃まで目一杯時間を使っていた訳だ。しかし小生の1日の訪問先は分単位で事前に予定を組んで多い時で10件を超すので、この日は余り多くの場所を回ってはいない。
例えば昨年の間宮家の顕彰文の資料写真撮影と織田家の故地探訪で愛知県を旅した際の初日のスケジュールは12ヵ所+ホテル+夕食の居酒屋を回っている。
コレね。
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只、時間を無駄にしたくないので出かける前は臨機応変に組み替えれる行動予定を何パターンも時間軸で頭に組み込んで置く。
訪問先の優先順位を割り振って、全ての訪問予定先をGoogle mapに登録して置く。そして道路状況等もナビ機能に反映されるので時間との兼ね合いで訪問先で所要した時間に合わせて行き先を削って行く訳だ。すると案外と多くの場所を回れる。

今回は訪問先は比較的少ないし移動距離も短い。その替りに有鹿神社宮司様や温故館や神崎遺跡の学芸員様始め多くの方への質問に時間を使っていた訳だ。
だから、とても充実した1日と成った。
神崎遺跡から飯田牧場に到着すると何と駐車場待ちの車が住宅街の片側1車線の道に並んでいたが、運が良く比較的早く駐車場に入る事が出来た。
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ここは横浜市からも遠くは無い藤沢市。そんな場所で酪農家が乳牛を飼育して乳製品の加工食品やアイスクリームを製造販売している。
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だから当然、牛舎も隣接している訳だ。鎌倉市周辺の小さい子がいる御家庭なんかは近くを通る事が有れば立ち寄りアイスを食べれば、牛サンも見れて子供に自分達が食べる物の由来と感謝を教える良い機会にも成るかも知れない。
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アイスクリームは種類が豊富なのだが、如何(いかん)せん小規模な人気店だけに昼下がりには写真の通り、既に売り切れの商品も多い訳だ。

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芸能人にも知られている店の様で鶴見慎吾サンが趣味のサイクリングがてら立ち寄られたり…
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…何か良く解らん漫画の作家さんや多数の芸能人が訪問している様だ。その色紙の数は観光地の横浜中華街の有名中華料理店と同じ位だろうか?基準が可笑しいか(笑)。
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小生はラズベリーとホワイトラムレーズンを頼んだ。
予想を裏切りサッパリした舌触りと喉越しながらコクが有って美味い。
これを食べるとコンビニや観光地のアイスが如何に人工的な味付けや舌触りに加工されているかが解る。
後日、三浦半島の関口牧場で食べたアイスも飯田牧場に近い味と舌触りだったので自然なミルク由来のアイスは脂肪分もサッパリした物に成る様だ。

以下、飯田牧場の所在地と連絡先。
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飯田牧場の駐車場待ちで道路に車を停めている際に目の前に御寺が有るのに気が付いた。
花應院と言う御寺の様だ。綺麗な名前の御寺だ。
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❝小栗判官・照手姫縁起の寺❞と書いて有ったのだが浅学世間知らずな小生は❝照手姫❞が誰か知らなかった…
小栗判官は徳川埋蔵金で有名な徳川幕府末期の名奉行の「小栗上野介(こうずけのすけ)忠順(ただまさ)公の御先祖様か何かかな?」と思った。横須賀製鉄所を開いて近代日本造船の基礎を築いた偉人だな。東郷平八郎元帥から後に「日本を救った人物」として感謝された偉人だ。
しかし小栗判官について何も知らない小生。

…癖で直ぐに神社や御寺が有ると門前の看板や寺紋や宗派が気に成ってしまうのだが、「これは直接、御住職様に言われを御教授頂きたい」と思い飯田牧場でアイスを平らげてから訪問して見た。
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禅寺に有るアレ。「酒の匂いさせて山門(寺)に入っちゃ行かんよ~」ってアレ。
うん、禅宗(曹洞派=現在の曹洞宗)確定!
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この時点での認識…
「う~ん。小栗判官と照手姫ってのは何かの物語らしいが良く解らん」
…程度。ウダウダ読んでも考えても知らない物は埒(らち)が開かないので知ってる人に教えて貰った方が早い。さっさと御住職を訪ねようと中に入る。
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参道は細い。しかし恐らく明治時代以前は両脇の民家に成ってしまっている場所は塔頭寺院かなんかで境内地だったんだろう。
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石仏群が保存されている。謂(いわ)れは解らなかった。
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庭に落ち葉や雑草がチラホラ有ったので何だか無人の御寺の様な雰囲気で、人がいるのかな~?と思った。
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どうみても境内地なのだが普通の民家っぽい建物、離れの庫裡かな?と思いつつ本堂へ…
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どんな御寺か良く解っていずに参拝したのだが、取り合えず曹洞宗の御寺の様なので御本尊は釈迦牟尼仏だろうと思い、今回訪問の機会を思わず頂けた御縁と参拝させて頂けた事を釈迦牟尼仏様に御礼を申し上げ横浜までの帰路無事に帰れる事、そして小生が神社仏閣の保護や支援を担い先人の偉業を現代人に伝える事業が出来る様に、文化的な事や何か社会の役に立つ事が出来る様に、地域の産業に資する事を創生出来ます様にと大願をお伝えし、その様な事を行うに相応しい人間に成れる様に御導き下さいと御参りをして来た。
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まぁ、釈迦牟尼仏様を含め、いつも日本の神様達と仏様達と偉人達と御先祖様にしている祈念と同じ。
参拝を終えて取り合えず玄関に回ってインターホンを鳴らすが誰も出て来なかった。
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御自由に御持ち下さいと書いて有り冊子と札が置いてったのだが、流石に札は勝手に拝借する気にも成らずに写真だけ撮影させて頂き、照手姫の事が何やら書かれた印刷物の方は1枚づつ頂いて玄関を出た。
すると庭先に御住職が待ち構えており「いらっしゃい」と声を掛けて頂けたのだが…
「あれ?今外出からお戻りに成られたのかな?」と思って「冊子を頂きました。」とお伝えした所「全部見てたよ」との事。
小生→「?」「何ぞ?」
…と思った。
御住職様に「まぁ、入りなよ」と気さくに声を掛けて頂き玄関へ再度入り椅子に座らせて頂いた。
内心…
「何か怒られるのかな?」
…と、思いながらドギマギしてると御住職から意外な一言。
「実は最近、賽銭泥棒が多かったので全部遠隔監視出来るシステムにしてあんだよ!」と笑いながら教えて下さった。最近は日本でも物騒なので納得。
凄いのは出張先からでも監視出来るし、どこから入っても解るそうだ。
「先進的な御寺だな」と思い、そして同時に「御住職様気さくな方だな」と思ったら実は御住職、曹洞宗の偉い方だった。名刺を頂いて分かった。
色々と曹洞宗の組織や運営の話が聞けて非常に面白かった。
そして本題の照手姫の伝説を質問すると丁寧に解説をして頂けた。
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大まかな話は以下の通り…
室町幕府の時代、鎌倉府最後の鎌倉公方の足利持氏(もちうじ)公に永享の乱で小栗判官は今の茨城県に在った居城を落とされてしまう。そこで相模国の鎌倉郡俣野(今の横浜市戸塚区俣野)に落ち延びて潜伏していた。
※個人的な意見だが、鎌倉を本拠地にする鎌倉公方の足利持氏公に
常陸国(茨城県)の居城を落とされたのに鎌倉郡に逃げて来ると言うのは不可解な伝承。
そこで横山大膳と言う盗賊の元に訳(わけ)有って仕えていた照手姫と言う美女に出会った。
照手姫は本来は高貴な武士の娘だったそうだが、親を早くに亡くして横山を頼った様だ。
照手姫と小栗判官は恋に落ちて婚約した。
しかしこの横山は武士であり盗賊でもあったので、小栗判官の財産の横領を目論み照手姫の不義も許す訳もなく小栗判官を権現堂で暗殺してしまう。
→権現堂が花應院と関係あるらしい。
小栗は死ぬのだが生前の行いが良く、閻魔大王によって蘇(よみがえ)らせられる。
→だから花應院には閻魔大王が祀られている。

生き返ったものの化物の様な外見に成る病で歩く事もままならなかったのだが、藤沢の遊行寺(時宗の総本山)の大空上人の協力や照手姫の協力で和歌山県田辺市の温泉で湯治して回復すると、再び領地を与えられた。その後手勢を率いて俣野に攻め込み横山大膳を討ち取った。
→常陸国から鎌倉の他人の領地へ出兵したら室町幕府で大事に成って切腹されられるのでオカシな話し。この話の元には何か別の解釈が有るのかも知れない。
一方で照手姫は不幸が続き人身売買で売られて美濃国に流れ着いていたのだが、小栗判官に探し出されて目出度く結婚した。

…って話らしい。
昔は道徳教育の教材に成った話らしい。正直、そんな話を神奈川県民として知らなかった事が恥ずかしい。まぁ、そんなこんなで花應院の御住職に伝承やお寺について御教授頂けてとても嬉しかった。
更に本堂に通されて、目の前で閻魔様の木造を拝ませて頂く事が出来た。
この他に、御住職様が曹洞宗の偉い方と解ったので、同宗派で織田信長公所縁の御寺の江南市久昌寺が廃寺の危機に瀕している事を御伝えし、存続に向けた知恵を御教授頂く事も出来た。さっそく釈迦牟尼仏様に御参りした御利益が有った訳だ。

一頻り御住職から御知恵を御教授頂いて、車を停めたままの飯田牧場に戻った。
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牛さんズに御別れして、横浜の自宅までの帰路についた。

今回は4回に分けて22日の休日雑記を書いたが、当日は色んな偉い諸先輩方から様々な事を御教示賜り、食べ物も美味しく非常に良い休日と成った。
又、有鹿神社を参拝する際は飯田牧場も来たいし花應院の閻魔様と御釈迦様にも御参りに来よう。

これにて22日の休日雑記は御終い。