皆さんは東京都青梅市に横浜で生まれ、戦時中に青梅市に自宅を写し数々の歴史小説を執筆した吉川英治先生の旧宅の素敵な古民家と日本庭園が博物館として季節限定公開されているのを御存知でしょうか?
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この周辺には観光地として申し分ないスポットも幾つかあり、小生は昨年初めて訪問して再訪したいと思っていたところ、Google mapの情報で今年2019年03月に開館の後、03月20日で運営中止となり完全閉館される事を知りました。
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駐車場も完備されており古民家としてだけでも見物に値し、更に歴史好きや三国志好きならたまらない吉川英治先生の生涯や作品紹介の展示物もある素敵な博物館なんです。
吉川英治記念館だけでは奥多摩まで足を運ぶには小生の様に神奈川県民では距離的に足がなかなか向かない人もいると思いますので、吉川英治記念艦周辺の観光地としての魅力を先ず強調する為に周辺の景勝地を紹介したいと思います・・・
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大悲山 観音寺(通称:塩船観音)
塩船観音は吉川英治記念館から車で30分程度の場所、関東指折りの躑躅の名所の一つで人魚伝説の八百比丘尼が住職を務め、更には天台宗の総本山、比叡山を代表する高僧の一人で天台密教の大家である五大院先徳 阿覚大師 安然和尚様が大寺院に拡張した歴史がある場所です。そのごは坂東平氏三浦一族の金子家が平安時代~鎌倉時代に支援し、戦国時代には三田領を束ねた三田家が支援した御寺で、現在は真言律宗の別格本山であり寺院の奥院が躑躅に囲まれる非常に美しい場所でもあります。
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JR青梅駅周辺❝昭和レトロ商店街❞
青梅市は映画とドラマのロケ地誘致と昭和の街並みの景観保存に力を入れておりJR青梅駅周辺は散歩するだけでも楽しい。❝赤塚不二夫記念館❞や❝昭和幻燈館❞や❝青梅宿津雲邸❞等もあり駅周辺でもかなり時間を割いて散策出来る。
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へそまんじゅう総本舗奥多摩を代表する御土産物屋と言って過言では無く、蒸したてホカホカの名物へそ饅頭を1個売りでも箱でも販売してくれる。小腹が空いたらオヤツにも丁度良い。
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奥多摩釜めし
山深い場所に来た時に関東地方では定番の観光地の食事と言えば釜飯。青梅市の二俣尾でも釜飯の名店❝奥多摩釜めし❞があり、観光気分を満喫しながら食事が楽しめる。吉川英治記念館からも車でそう遠くはない。
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瑞龍山 海禅寺(戦国時代の天皇勅願所寺院)
とても素敵な楼門と、境内に綺麗な躑躅も咲き、春には枝垂れ桜の立派な大樹が見所の御寺。
戦国時代に扇谷上杉家の与力小大名だった三田家が室町時代中期に開いた寺院だが、本来の寺号は❝福禅寺❞と言い恐らく前身寺院は鎌倉亀ヶ谷に存在した修験道の大道場で源頼朝公が崇敬した亀谷山福禅寺が前身。度重なる戦火で福禅寺の権現堂は横浜市港南区に機能移転し、福禅寺は扇谷上杉家によって三田家に青梅市二俣尾の現在地で再興されたと推測出来る。横浜市沿岸部を北条早雲の時代に治めた北条家相模十四騎筆頭の間宮家棟梁、間宮信冬公によって福禅寺の住職が鶴見下末吉に招かれ長谷山 寶泉寺が開かれた。この間宮家は間宮林蔵や杉田玄白の一族祖先であり、又、現在の江の島の江島神社が真言宗系修験道の聖地霊場だった江戸時代までは間宮家が住職である別当を務めた。この間宮家は鎌倉から移転した福禅寺の権現堂を横浜市域で保護しているが、これが鎌倉に在った修験道の福禅寺時代には天皇家御門跡寺院だったので、三田家滅亡後は曹洞宗として間宮家や間宮家の寄親の玉縄北条家一族福島家や同じ北条家臣師岡家や旧三田家臣団によって支援された頃に突如天皇家勅願所に成っているので、間宮家や鎌倉亀谷山福禅寺と青梅市瑞龍山海禅寺の本来の寺号の福禅寺の深い関連が推測出来る。
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吉川英治記念館(2019年03月20日閉館決定)
吉川英治先生の生涯と作品を展示した博物館と、旧宅の古民家と日本庭園を併設した記念館。
風景も庭園もとても美しく、又、古民家好きにとっても素敵な場所。吉川英治三国志や彼の歴史作品を愛読した人ならば閉館前に必ず行きたい所。
3月までは季節柄開館時期では無く03月01日の開館~20日まで営業して終りを迎える。
3月からの開館機関も火曜日は定休日なので訪問日程には注意が必要。
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澤乃井櫛かんざし美術館この美術館と多摩川を挟んで対岸に在(あ)る老舗酒蔵の澤乃井酒造が運営する日本の櫛と簪(かんざし)を大量に収蔵展示した珍しい美術館。ここは風景もとても美しいが収蔵された櫛と簪はどれも綺麗で緻密な細工のされた物ばかりで、江戸時代の御姫様達が用いた物から近代工芸品として発展した物まで多種多様な❝美術工芸品❞としての櫛と簪を見る事が出来る。女性陣は必見!
対岸の澤乃井酒造も吊橋を渡って行けるし、逆に澤乃井酒造側に車を駐車して歩いて来る事も出来る。
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寒山寺(澤乃井酒造創業家小沢家の持仏堂)澤乃井酒造経営者の小沢家が建てた持仏堂で❝澤乃井櫛かんざし美術館❞と澤乃井酒造の土産物売店とレストランが併設された❝澤乃井園❞を繋ぐ多摩川上流にかかる吊橋のたもとに存在する。
美術館と澤乃井園と合わせて見物出来る景勝地。


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澤乃井酒造&澤乃井園江戸時代初期から続く老舗酒蔵の澤乃井酒造の醸造所と、観光客向けに日本酒の飲み比べや土産販売、食事店舗を併設した場所が澤乃井園。奥多摩ながら観光客で日々賑わい、下の多摩川の河原にも降りられるので渓流で沢遊びをする家族にも人気の観光地に成っている。
又、予約すれば酒蔵の方も時間限定で見学する事が出来る。酒を飲まない小生でも力を込めて推薦したい観光地。ここの梅酒は酒嫌いにもとても美味しい!
歴史好きにたまならいガクシャ先生も知らない情報を余談として一つ・・・
澤乃井酒造の小沢家は旧武田家重臣で武田信玄の娘婿だった穴山梅雪の与力武将が御先祖で、武田家滅亡時に復興資金を持って現在地に移転して来て、そのまま武田家は復興されたなかったので林業を営む傍(かたわ)ら酒造業を始めたそうです。社長さんに取材確認済みなので間違いないそうです。
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福島家住宅(江戸時代までの二俣尾村庄屋宅の古民家)

さてさて・・・

吉川英治記念館の周辺、すっごい沢山見所有るでしょ?
この他にも城好きには辛垣山城跡なんかも有りますが、ちょっとした登山に成ってしまうので一般の観光客には不向きと判断し紹介は差し控えました。今回紹介した場所は小生が自分で廻った事のある場所ばかりですが、吉川英治記念館周辺は他にも見どころと成る美術館や観光施設が沢山有ります。
渓流には釣りが出来る場所やキャンプ場も有りますので、アウトドアと合わせて吉川英治記念館の見学に行くのも良いかも知れません。
奥多摩が観光地として魅力的なのは伝わったでしょうか?

・・・では、ここから吉川英治記念館そのものの紹介に戻ります。
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国道411号線から都道41号線に入り西の多摩川上流に向かって車を走らせると、この写真の看板が見えます。駐車場も30台分くらい有るので十分停められると思います。
吉川英治を平成生まれの若い世代は余り知らないのでインスタ映えする古民家が有ってもデートに大挙して来る事もないでしょうから。
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駐車場の脇から住宅道路みたいな田舎道を進むと入口に辿り着きます。DSC_0568
第二次世界大戦中に都会から疎開する為に旧豪農の邸宅を買い取って住んだそうなので、もう長屋門まであって既にこの時点で歴史好き、古民家好き、日本庭園好きにはたまらない雰囲気が漂ってきます。
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中に入ると直ぐ右手に・・・
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物置に使われていた立派な蔵が有ります。凄いよね~。
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御庭とても綺麗。
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住宅部分は玄関の中まで公開されています。
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そして各部屋には生活していた当時の写真が展示されており、今でも往時をありありと想像する事が出来ます。
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御庭に回りましょう。
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こちら側に回ると執筆する書斎として増築された洋館部分の玄関に回る事が出来ます。
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この洋館部分の玄関のタイルが見事でとても綺麗なんです。
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この、こじんまりした洋館の書斎で小説を執筆されていたそうです。
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小生は訪問するまで存じ上げなかったのですが、吉川英治先生は横浜市中区元町の生まれだそうで、生活も吉野町でされたりしたそうです。御先祖は小田原藩士だったとのこと。でも御本人は仕事を色々と変えて数奇な運命を辿っています。今で言うと転職しまくって余り大成しなさそうなかんじなんですけどね~。
そこからどうやって大作家に成ったかとか資料館部分で見る事が出来ます。
洋館から裏庭に回りましょう。
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本当に素敵な庭園なんです。
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まるで横浜三渓園みたい。
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裏庭側から資料館の入口に回れます。
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ここから中は撮影禁止です。
中には吉川英治先生と前妻や後妻さんや家族との年表や詳しい生活の様子、個人的な人生の紆余曲折も解説されていて歴史小説に興味ない主婦の方も昼メロドラマ並みに乱万丈非常に先生の生涯には興味を惹かれると思いますよ(笑)。

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御花もとても素敵な場所です。
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・・・こんな素敵な吉川英治記念館ですが、残念ながら今年2019年3月1日~20までの公開を以て閉館と成ってしまうそうです。残念ですね~。
もし彼女が出来たら一緒に連れて来てあげたい場所の一つだった。
もう彼氏彼女や夫や妻がいる皆さん、どうです?吉川英治記念館と周辺の観光スポット、とっても綺麗でしょ?是非3月の最終公開期間、訪れて見ては如何でしょう?

では、又、次の歴史解説記事で御会いしましょう~。
・・・津久井城の記事早く書かないとね。神社仏閣一覧も更新しないと。