歴史オタクの郷土史グルメ旅♪♪      久良岐のよし

主に歴史旅、ときどきグルメ、けっこう富士山と季節の景色の写真大量のブログ。 中の人はオタク指向、でも2次元よりリアルが好き。   好きな曲はPharrell WilliamsのHAPPY♪

タグ:鷹取山

神奈川県には❝神奈川の景勝50選❞と言う県指定の景勝地が有りまして…
横須賀市には❝鷹取山と神武寺周辺の景勝❞が、その一つに選ばれています。
ここは小生が尊敬する武将の1人であり、関東屈指の名軍師だった太田道灌公が鷹狩をした伝説の残る場所でもあります。
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昔は遊歩道は無くて、本当に自然の登山道だけでしたが、今は幸か不幸か山を掘削して公園と遊歩道が作られ気軽に登る事が出来る様に成っています。
遊歩道は自然を破壊して後からつけられましたが…
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まぁ、その分、ちゃんと紫陽花が植えられて遊歩道として綺麗です。
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実は鷹取山は古来、全山が❝鎌倉石❞と呼ばれる現在では採掘禁止の凝灰岩の高級石材の切り出し場だった。
だから現在の遊歩道ではなくて古い登山道は石切り場に面していて、そちらの方が自然と神秘的な地形の景観が素晴らしいんですね。
だから小生も、現在の遊歩道を嫌って、紫陽花の切れ目から子供の頃に歩いた古道を見つけてソッチから登山する事にした。
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鷹取公園側から登ると、古道の入口の目印は有りません。
上の写真の紫陽花の生垣の切れ目、「ゴミ捨て禁止」の看板が有る横そこ入ると…
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ちょっと奥に昔の石切り場と掘られた石仏達が姿が現れます。
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何か変な不自然な色にペンキで塗られてしまった壁面が有りますよね…
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実は無許可で掘られた石仏群です。
遊歩道設置後の数十年は道から外れて、拝む人は少ないみたいです。
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着色するのはどうなの?余り良くない気がしますが…
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因(ちな)みに、普通のアスファルトの遊歩道を歩けば鷹取山公園の入口から展望台の有る岩場まで10分足らず、遊歩道をそれて古道に入ると危険極まりない(笑)風化した鎌倉石と自然を満喫する道なので展望台まで30分以上かかります。
しかし、小生はこちら側の道が懐かしく好きなので、今回は古道を紹介します。
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昔の道は石切り場沿いで、魅力的な景観を楽しめます。
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壁面に穴がいっぱいあいてますよね?
これ、無文化で自分勝手なロッククライマー達が自分の欲望の為に鉄杭を打ち込んだ後です。
この付近の石仏は歴史も浅く余り価値は無いかも知れませんが、この石切り場時代が景勝地なのでロッククライマー達の行為は破壊行為でしかありませんね。
先日も、他府県で重要文化財の岩場に鉄杭打ち込んだロッククライマーがいて問題に成ってましたね。
さて、この新しい石仏群を抜けると、本当に本当の古道です。
そして、そちら側の景色が本当に凄い。
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ね?
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神奈川県内で、こんな風景余り見れませんよね。
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ここと、三浦半島の長坂~芦名地区へ行く途中の石切り場も有りますが、彼方(あちら)は登山を楽しめる場所とは違うので、近くから見れるのは鷹取山の石切り場だけですね。
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ただ、この古道は本当に危険で、砂礫が集まって出来た凝灰質砂岩の高級石材❝鎌倉石❞の山なので風化が激しく、御覧の崖の様な場所も有ります。
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しかしながら…
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尾根道に出てしまえば、その景観は美しい…
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まぁ、尾根道も横須賀市内とは思えない御覧の通りの険しさですが。
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手すりが有るだけマシかな?
この尾根道を伝って六浦駅方面~神武寺方面と正反対の方向から登山する事も出来ます。
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尾根を抜けると、石切り場の広場に出ます。
ここへは昔の山道を歩きたくないなら、鷹取山公園入口の遊歩道から来れば直ぐです。
しかし、昔の登山道と違い何の面白みも綺麗な風景も無いですよ。
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又もや、ロッククライマーが穿(うが)った穴だらけ(怒)。
良くないね。
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こう言う史跡や文化財や景勝地の破壊をするロッククライマーや土建屋は刑事罰制定して取り締まって欲しい。

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すんごい風景でしょう?
写真だと大きさが解らないと思いますが、どの岩も高さ20mくらい有ります。
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展望台も有り、上ると横浜~横須賀~三浦~葉山~鎌倉を一望できます。
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上の写真、拡大すると解りますが…
大日本帝国憲法草案を伊藤博文公が起草した際に宿泊していた旅館が在った夏島、伊藤博文公別邸の在る野島、武家初の鎌倉時代の図書館である金沢文庫と称名寺の山その奥に横浜ランドマークタワーが見えています。
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横須賀港の軍艦も…
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山の端(は)と山の端が重なり合った谷あいの向こう、日光で白んだ辺りが葉山港です。そして、葉山から横須賀方面に延びる谷が古代東海道。
この展望台からの眺望も素晴らしいのですが、鷹取山にはもう一つ素晴らしい場所が有ります。
そこへは鷹取山公園に一度降りてから磨崖仏と書かれた方向に歩いて下さい。
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そこに至るには又、石切り場も通りますが、こちらの道は舗装されていて歩きやすい道に成っています。
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磨崖仏に至る道は、遊歩道沿いに色んな野草が花を咲かせていて、古道側とは又、違った風景で目を楽しませてくれます。
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不勉強で申し訳ない、花の名前は存じ上げませんが、とても綺麗で可愛らしい花でした。
この花や紫陽花を見ながら10分ちょっと歩くと鷹取山で一番の有りがたい場所に辿(たど)り着きます。
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弥勒菩薩様の大石仏。
高名な芸術家が昭和35年に彫刻した磨崖仏。
ここは鷹取山は歴史もあり、いずれ石切場も磨崖仏含め国の重要文化財に指定されるべき場所でもあります。
小生は心願に公人としての御願いと私人としての御願い、人間としての御願いをしてきました。
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弥勒菩薩様の横には、鷹取山の地名由来が書かれていました。
どうやら色んな説が有るみたいですね。

どうですか?
鷹取山、神奈川県とは思えない魅力的な風景でしょう?
もし京浜急行沿線に御住みの方は、是非、御弁当持参して鷹取山を登ってみては如何(いかが)でしょうか?

あ…

注意点です。
手持ちのバックは危険です。必ず両手を使えるリュックに荷物を入れて登山に来て下さい。
岩場や古道の地面は不安定なので、靴は必ずトレッキングシューズか運動靴で登山して下さい。
火気厳禁、タバコも禁止です。
昆虫採集も禁止です。
以上。

次は大庭城址公園の紹介記事を書くと思います。

皆さん、では次のブログ記事で御会いしましょう~♪














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今日は朝、少しだけ寝て家を出た。
最初に訪れたのは称名寺…
と、昔は同じ金沢北条家の敷地内に建てられた武家初の図書館だった金沢文庫。
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今では金沢文庫博物館と名を替え県営と成っている。
現在、金沢文庫は泥亀新田開発者の永島家の特別展示を行っている。この永島家の邸宅は伊藤博文公が大日本帝国憲法草案を起草した場所の一つ、野島の伊藤邸近くに在った。
昭和後期、小生が子供の頃まで永島家の敷地と立派な門が文化財として保護されていたが横浜市教育委員会が保護を怠り破壊され宅地化されてしまった。
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金沢文庫が県営に成ったのには色々な経緯(いきさつ)が有るが、明治時代に領主や幕府達に寄進されていた寺領が没収されてしまい、米穀の収入があった寺領や社領を接収されたので、神社仏閣の僧侶や神職達は収入源が無くなったせいで墓地の経営や冠婚葬祭なんて商売を行わなければいけなくなった。
つまり明治政府の宗教政策の失敗によって神社仏閣の多くは哲学や学問や文化を学ぶ場所としての機能を停止せざるを得ない状況に陥らされた。
更に封建社会での御寺は公共施設だったのに対して明治時代は住職の個人資産、世襲制に成ってしまった事で称名寺も当時の❝住職の資産❞に成ってしまった。
これが金沢文庫の不幸の始まりで、当時の住職は仏僧にもあるまじき堕落をし水商売の女に狂って日本国民にとって❝東の正倉院❞の異名で呼ばれた称名寺の寺宝を私有財産の様に売り払い、水女に使い込んでしまった。
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それを保護すべく称名寺の檀家や宗派真言宗の認知の下で、寺宝管理を神奈川県営の金沢文庫博物館に寄託する形で、日本国民にとって有益な研究対象文化財として世間に多くの寺宝が日の目を見て日本のみならず
東アジアの文化史解明に役に立ったと有名に成った程の場所…
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…なのだけれど、歴史に興味が無い人達には認識されておらず知名度が低い。江戸時代までは真言宗内では称名寺は凄まじい知名度の庭園と壇林としての機能を有して居た。
称名寺=金沢北条氏邸宅の谷戸と文庫の谷戸を繋いでいた鎌倉時代から使われていた隧道も現存する。
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まぁ、現在の黒岩知事と県の教育委員会が金沢文庫の文化財保護の為の老朽化した空調交換に予算を回さなかったせいで、称名寺の重要文化財は昨年カビに腐食されてしまってニュースに取り上げられ事件に成った事も有った。
文化財保護と言うのは知事や市町の文化度が低いと、この様に直ぐに被害をうける。
これが城址や神社仏閣の古址と成ると、あくどい市長は発掘調査もせず重要性を隠匿したまま土建屋に宅地開発容認してしまう。
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今、宅地開発されてる横浜市港南区笹下4丁目は、笹下城址の主要部分の一角だった。
現在、本丸直下の切岸と空堀後は❝傾きマンションで有名な三井不動産レジデンシャル❞に破壊されて家が建設される最中だ。

さて、閉館16時半金沢文庫を後にして何だか休日に1ヵ所しか廻らないのは不完全燃焼…
「歴史成分」「自然が足りない」
…てな訳で、ここから車でそう遠く無い神奈川の景勝50選に選ばれている鷹取山に廿数年ぶりに登ってみようと思い立ち移動した。鷹取山の写真は全く無かったから。
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なんだか久しぶりの鷹取山は本来の登山道とは別のアスファルトの広い歩道が整備されてしまい自然環境が破壊されていた。
まぁ、その分、ちゃんと紫陽花が植えられて遊歩道として綺麗ではあった…
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小生は現在の遊歩道を嫌って、紫陽花の切れ目から子供の頃に歩いた古道を見つけてソッチから登山する事にした。
因(ちな)みに、普通のアスファルトの遊歩道を歩けば鷹取山公園の入口から展望台の有る岩場まで10分足らず、遊歩道をそれて古道に入ると危険極まりない(笑)風化した鎌倉石と自然を満喫する道なので展望台まで30分以上かかる。
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嘆かわしい事に、来なかった二十数年の間、新しい物とは言え岸壁に掘られた石仏群を何の心算か勝手に彩色する輩がいたような。
そんな悲しい発見も有ったが…
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こんな場所が緑の中、随所にあり不思議な空間に成っている。
マイナスイオンも感じる様な気がする…
途中、この古い登山道は本当に険しく、落ちたら死ぬ所ばかり(笑)。DSC_3023
それでも、この本来の道を通る価値は有る。

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頂上の広場は、まるでカッパドキアの様な異世界の風景。
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でも、この岩場の壁面に沢山穴が開いてるでしょう?
これ、先日も文化財破壊で問題に成った団塊~バブル世代の無文化ロッククライマー達が私欲の為に鉄杭を打ち込んで破壊した傷後です。
現在は根本的にロッククライミング禁止なのに、無許可で登ってるクソがいました。
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装備を置いて岩の上にいるようだ。
そんな憤りもあるが、この日は久しぶりに拝みたかった大石仏の弥勒菩薩様に会いに来たので…
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昭和初期に高名な芸術家が彫刻した仏様なので美しい!
久しぶりに御会いできて嬉しかった。
石切場含め将来何十年かしたら文化財に成るんでしょうね。
この鷹取山や神武寺付近は小生が尊敬する戦国時代、関東最高の軍師の太田道灌公も鷹狩に訪れた伝承があり、鎌倉時代には源実朝公も来訪されたそうだ。
ここの存在を思い出したのは先月、葉山に宿泊した際に訪れた逗子市郷土資料館の学芸員さんの話で、鷹取山の話が出て来たから。

ふむ、古道を歩いた御蔭で汗もかき、何とか休日らしい充実感を味わえて良かった。








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